暖かくなって来たって言っても。
流石に、夜はそれなりに冷え込む訳で。

電話が来た。相手は、あゆん。

『声、聞きたかったんだ』

はにかんだような声。
自室と隣り合わせになってる姉の部屋からは、夜だと言うのに大音量の音楽。
ゆっくり話がしたくて、ジャージを着込んでベランダに出た。

他愛の無い会話。
自然に綻ぶ唇。
溢れる気持ち。
温かな想い。

心に満ちる、愛しさ。

その全てが愛しかった。

『貴女の事、愛してる』

だからかな。
自分でも驚くくらい、自然に言えた。
そしたら、受話器越しであゆんが息を呑んだのが解って。

『その言葉… 御前、初めてちゃんと言ってくれたな』

って嬉しそうに言ってくれて。
言葉が、私の中に魔法みたいに溶けてって。

『私も。 哉也の事、誰よりも愛してるよ』

 

その言葉はきっと魔法。

私のことを甘く惑わす魔法の言葉。

 

私ね、今なら偽る事無く確りと言えるのよ。

私…… 貴女の事を愛しているわ。

 

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

まだテーマがありません

この日記について

日記内を検索