『したい』気持ち。
2002年8月18日ある日を境に、毎日毎日事ある毎に考えてる人がいる。
私の扇子を勝手に使って『暑いね〜』なんて言ってたあの時、
またメール送るね、なんて口パクで伝えてきたあの時、
腰を引き寄せて囁かれたあの時、
釣りの道具を一緒に片付けたあの時、
移動中の車内で寝ちゃった私を起こしてくれたあの時、
不意に唇を重ねられそうになったあの時、
縋るように抱き締められたあの時、
驚くほど優しく胸に手を置かれたあの時、
手を繋いで帰った…あの時。
数え切れないくらい、沢山の『あの時』。
ほんの些細な事も鮮明に心に残ってる。
初めて会った日の事だって覚えてるんだよ?
6月6日。陸上競技会の日。
その時の私には『彼氏』がいて、その人にも『彼女』がいた。
今私は独り身だけど、その人にはまだ『彼女』がいる。
私の中に一杯詰まってる『あの時』の記憶は、決して胸張って言える事ばかりじゃない。『まるで恋人同士だね』っていうような事も、したもん。
『彼女さんに悪いから。彼女さんに失礼でしょ』
そう言ってキスを拒んだ。
『でも俺は、哉也としたいよ?』
…そんな風に返されちゃってすごく困ったけど。
私、今日思った。
『したい』って。
正しくは『したかった』って。
あの時抱き締められていたらどれだけ温かかっただろうとか、
あの時素直にキスしていればどんな気持ちだっただろうとか、
あの時何も考えずに『好きだよ』って伝えてたらどうなってただろう、とか…
苦笑する程覚えてる『あの時』は、今にしてみると勿体無い事ばっかり。
後悔なんてしてないよ?
どんなに『したい』って思ったって、
今のその人にそれを言うのは適切じゃないもん。
でも… いつか。
いつか、その人と胸張ってキスしたいな。
そんな綺麗事書き連ねてみた所で、最終的には。
私は、その人と『彼女』が別れるのを期待してるって事。
…… あたしって、嫌な女。
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